「俺と、結婚してくれないか」









「ちょ、ちょっとユキ!」





突然腕を引かれ、ハッと我に返る。
目の前を見ると、階段の前にいて段になっているそこに足を踏み入れようとしていた。




「わあ!」

「あ、危ないなぁ、ボーッとしてどうしたの?」



助けてくれたのはフランで、呆れたように私を見る。
慌てて足を戻して、フランに頭を下げて謝る。


ああもう、なにやってるのよ。




今日は朝からベッドからずり落ちるし、ボタンは掛け違えるし、歯磨き粉で顔を洗いそうになるし。
その締めくくりが今。




ああもう、しっかりして!




それもこれも、全部レオのあの告白のせい!
いや、告白じゃない・・・あのプロポーズのせいよ!