だって、聞きたくない。





「言っただろう。俺は、お前が好きなのだと」

「でも、レオは王さまで・・・っ、私は、なにも持ってない。家柄も・・・、力も、なにもなくて・・・っ」




ああ、泣くな泣くな。
レオを困らせるだけだ。


理解のある女を演じるんだ。



レオを支えなくちゃいけない。
レオが作る世界を、一番見ていたいのは私なんだから。




「俺は、お前がいい。お前に側にいてほしい。もう、離さんと言っただろうが」

「だ、って」

「お前を・・・、俺の妃として迎え入れたいと思っている」






レオの手が、私の頬に触れる。
いつの間にか流れていた涙をそっと拭われた。





「今、なんて・・・」




「俺と、結婚してくれないか」