思ってもみなかった。
レオは王になったばかりだし、今はまだバタバタしているからもう少し先だろうと。



「そ、っか・・・。うん。わかった」

「わかった、とは、なにがわかったなのだ」



まっすぐ向けられた瞳を、私は受け止めることができない。
動揺を感じられたくない。




「だから、私、平気だから。王さまの立場、わかってるつもりだし。政略結婚が当たり前だって、ちゃんとわかってるから」




だから、言わなくてもいい。
そういうつもりで言った。



レオの口から、ききたくない。



ごめん。って。





「話を、聞け」

「聞いてるよ、だからわかったって」

「目をそらすな!」




ぴしゃりと張り詰めた声で言われる。
肩をビクッと震わせた。