あの山に再び登る。
その時に、レオから教えてもらった。



全て、セイくんが仕組んだことだったって。
私があの木に触れるように誘導したのも。



そして、私がこの世界にやってきたのも。




あの声は、レオの声じゃなくて・・・レオの声を借りたセイくんの声だったんだね。




助けてって。
ずっと叫んでた。





「・・・それでも、ユキが許すというなら、俺はなにも言わない」



私の隣を歩くレオがそう言った。
あの時と違う、私の隣を歩いてくれているレオ。




「許すよ。だって」




だって。




「そのおかげで、私はレオと出会えたんだから」





運命のいたずら。
それでも。