身体がもう、動かない。 視界も、ぼやける。 息も、うまくできない。 「・・・ユキ!」 声だ。 聞きたかった声。 大好きな人の声だ。 抱き起された身体。 ああ、お願いもう少し。 待って。 レオの顔、見えないよ。 「れ・・・お・・・」 ああ、声もうまく出せない。 「ユキッ」 でも、聞こえる。 声が。