｢違うの・・・。私、変な人に絡まれてて、それを撃退したところをグレンに見られてたの。それで、半ば脅されて・・・｣

｢過剰防衛だとか言われたんだろ？｣

｢え、なんでわかるの？」

｢グレンがやりそうな手だからな｣




ノアの呆れたような声。
やっぱ、グレンってそういう人なんだ。




｢でも、あいつはあいつで、レオさまを想っていろいろやってんだ。あいつの行動はすべて、レオさまのためだからな｣

｢そうなんだ・・・。なんでそこまでするの？」

｢さあな。俺たちには、話してくれないから｣





でも、それだけレオさまの事大事に思ってるってことだよね。
あの、冷酷そうな王子さまを。




｢二人も、そうなの？｣

｢ん？俺は、・・・別に。しいて言えば、王さまより王子の方がいいかな、くらい｣

｢僕も同じく。王は悪く言えば強欲。欲に正直なお方だよ。あまり、僕は好きになれなかったな｣

｢そっか｣





強欲で、息子である王子をよく思わない王様。
いったいどんな人なんだろう。