≪その身にこの毒を引き受ける生贄・・・≫

「毒を引き受ける・・・だと・・・」



レオの眉が寄る。
険しい表情で精霊を見る。




≪生贄になる者はこの木に触れろ・・・。そうすれば、たちまちこの木は救われる≫

「木を救うために、俺たちの誰かに犠牲になれってことかよ!」



今まで黙っていたカイが怒鳴る。
納得、できるわけがない。
だって。


そのために誰かが死ぬという事・・・?




でも。
誰かがやらなきゃ、今までの事が無駄になる。



なんの為にレオが今まで苦しんできたというの。
なんの為にレオが今まで頑張ってきたというの。




それなのに。




決めたのに。
私がレオを護るって。