目をあけた。
・・・やばい!



「遅刻―!」



なんで起こしてくれないの。
目覚まし時計はなぜか壊れてた。

制服に着替えて階段を降りる。




「あら、雪。今起きたの?」

「お母さん、お弁当は!?」

「お弁当なら机にあるでしょう」



もう、娘が寝ていることにさえ気づかないなんて。
なんて非情な母親なの。



「ああもう、今日は道場行く時間なかった!」

「いってらっしゃーい」



お母さんに見送られ、道場を横目に通り過ぎる。
寝癖を手ぐしで直しながら走る。



慌ただしく一日が始まった。