そびえ立つ山は、それほどまで高い山ではなく頂上まで行くのもそこまで時間はかからないだろう。
私は腰に下げた剣の柄をぎゅっと握りしめる。



昨日、散々泣いた。
もう、迷わない。




「行こう」




全て、終わらせるために。




この山には、魔物は近寄れない。
入ってしまえば邪魔はできないのだという。




「なんか、落ち着かないな」

「うん・・・。雰囲気にのまれそう」




神の棲む山。
それ程の力があるという事。

私のずっと前を行くレオ。
もう、私の隣をレオが歩いてくれることはないんだ。




「ユキ、大丈夫?」



フランが心配そうに呟いた。