それに、素手での戦いなんて経験ない。
私が身に着けているのは剣道と、護身術。


護身術だって、父親に軽く教えてもらったくらいだし。



でも、身のこなしについては自信がないわけじゃない。
身体は柔らかい方だし、動体視力が長けていると言われたことだってある。


攻撃を防ぐくらいにはいけるかな?





「よし。行くぞ」

「はい。お願いします」

「お願いします」





頭をあげた瞬間に、空気が変わったことが分かった。
ノアの真剣な威圧するような空気に、圧されそうになる。



半端な覚悟じゃ、殺される。




本気で、そう感じた。





私は、グッと拳を握る。




すぐに負けるなんて絶対に嫌だ。
負けず嫌いに火がついた。