「それよりユキ、身体の方は大丈夫なの?」

「あ、うん。大丈夫。すっかり毒もぬけたみたいだから」




カイが言っていた通り、あの熱が引いた後すっかり体の調子は整った。
カイと言えば、カイはまだずっと牢にいる。

カイは、すべての事実を正直に話したらしい。


そして、王位剥奪の機には、証言もするとレオと約束を交わしたらしい。



カイ・・・。



やっぱりあなたは、ただの悪い人じゃなかった。
後悔、してるんでしょう?




「それから。いよいよ三日後に、王への直談判。王位剥奪の儀式が執り行われることになった」

「え、そうなの?」

「うん。さっき、グレンに会って聞いた。証拠を集め、正式な文書で王に送りつけた。王も、言い逃れはできないよ」

「そっか。いよいよなんだね」

「僕たちが、動かぬ証拠を手にしていることはまだ秘密だから、王はどうにか言い逃れる術を考えてるはず」

「動かぬ証拠・・・、あ、カイのことね」





私が納得してそう言うと、フランは頷いた。
だとすれば、カイを何としても守り抜かなくちゃ。
もし、気づかれていたとしたら何としても奪いに来るはずだ。