「毎日毎日、朝から夕方までずっと。一軒一軒回っては、頭を下げて納得してもらうまで話をして・・・。本当に、レオさまの事を好きでなければできないことです」

「・・・誰のことを言っている?」

「・・・もしかして、ご存知なかったんですか?」




レオの様子にシュリはハッとしたように声を上げた。





「どういう事だ?」

「・・・こちらへ」




シュリは観念したようにそう呟くとレオたちを案内し始めた。
シュリに連れられ歩いていくと、遠くから聞きなれた声が聞こえ始めた。





「話を聞いてください。レオさまは、みなさんを見捨てたわけじゃないんです。必ず、態勢を整えてまた立ち向かうことを約束しますから!お願いします!お願いします!」



レオたちが見たのは、深く深く頭を下げ謝っているユキの姿だった。
ユキに頭を下げられた男は、ユキに罵声を浴びせ扉を乱暴に閉めた。




「また明日きますから!話を聞いてくださってありがとうございます!」




ユキはそう言うと小さく息を吐き歩き出した。