その疑問の答えを誰も知る由もなく街を歩くと一人の女性に出くわした。




「あ、レオさま!」

「こんにちは」

「こんにちは。城下へいらしたんですね。私、シュリと申します」

「シュリか。覚えておこう」




シュリと名乗ったその女は、とても親しみを込めた表情でレオたちに声をかけていた。
こんな風に受け入れられると思っていなかったレオたちは面食らっていた。




「皆、優しいのだな。我々を受け入れてくれる」

「レオさまが愛されているからですよ」




シュリはそう言って笑った。
愛されている?
今まで、自分の事も国民の事もないがしろにしてきた自分を思い返せば、愛されるわけなどないとレオは思った。



「少しずつ、皆の考えも変わってきています。不満があって、ピリピリしていた街の雰囲気を少しずつ変えてくれているんです」

「・・・どういう事だ?」

「え?ですから。レオさまにお仕えしている騎士さまのおかげです」

「俺に仕えている騎士?」




レオはノアたちを見る。
ノアたちは心当たりもなく首をかしげた。