ユキを傷付けたくない。
ユキの事が大切になればなるほどにそんな恐怖に似た感情が渦巻く。



本当は、自分のモノにして自分の手の届くところに隠して鍵を閉めて大事に護っておきたいと。




でも、ユキを傷付けてしまった原因が自分なのだと確信してから、そんなことはかなわないのだと悟った。




ユキ自身、ここのところレオの前に顔を出さないし、他の騎士たちともあまり交流を図っていないと聞いていた。
そもそも、姿を見ないのだと・・・。


自室に籠っているのか、それとも・・・。




考えたところで、なにもわかりはしないのに。






「レオさま」

「ああ。王への追及の前に、城下に行く」

「城下へですか?」

「国民と顔を合わせて話をしたい」





きっと、王族に対しての不満でギスギスしているのだろう。
早いうちに対処しなければ、それこそ取り返しのつかないことになりかねない。

真相が明らかになった今、その不満にも向き合わなければならないのだと。