「他の人たちも、そうだと思います。今は、耳を傾けていない人の心にも、きっと騎士さまの声や行動は残っています。きっと、わかってくれます」

「・・・ありがとう。そう言ってもらえると、嬉しいよ」

「みんな、余裕がないんです。いつ魔物が来るかっていつもピリピリしていて・・・」

「うん。だからこそ、俺たちが頑張らないといけないんだ。頑張るからね」

「騎士さま・・・」





信じてくれる人のためにも。
私は、立ち止まってはいけない。


頑張らなくちゃ。





「騎士さま・・・、一ついいですか?」

「え?」

「どうして、女性なのに男のふりを?」

「・・・・え!?」




バ、ばれてた!?
う、嘘。



「な、なんで・・・」

「あ、他の人は気づいていないと思いますよ。でも、私はここのところずっと騎士さまを見てきましたから。手当した時とか、お強いですが、体つきは華奢ですし、ごつっごつした男の身体というより丸みを帯びた女の子の身体ですから」

「・・・、ごめんなさい。騙すようなこと・・・」

「いえ、その方が都合がよいことがあるんでしょう?」




シュリさんはにっこりと笑う。