「たとえ、捕まったとしても自分がいるから絶対に大丈夫だと。もし逃げ切れたなら国を出ろ・・・と」

「え?」

「・・・姿を消さなきゃいけなかったんだ。でも、できなかった。リリを無理させたくなかったし・・・、親が生きてたあの家をリリは気に入っていたから」

「そう・・・」

「でも、そんな俺を王さまは許さないだろう。例え、釈放されたとしてもどっちみち王の遣いに殺されるだろうな」

「そんな・・・っ」





でも、王さまなら・・・。
こんなことまで仕組んだ王様なら、自分を護るために証拠は消したいはずだ。
だったら、もしここにいることがばれるのだって危険かもしれない。


それに、もしすべてがうまくいって、王さまの策略を暴けたとしても・・・。
恨みに思った王様に殺される可能性だって。




「そんな顔するな。俺は、覚悟の上だって言っただろう」

「・・・でも」

「リリの事も、ちゃんと人に頼んである。あんたが心配するようなことは何もない」

「うん・・・」






リリちゃん・・・。
お兄ちゃんと離れて、辛いだろうな。




「なんで、引き受けたの?リリちゃんの薬代?」




一番、気になっていたこと。