「別に、許したいわけじゃない。カイにされたことは、きっと忘れられない。でも、わかりたい。どんな気持ちだったのか。本当の事を知っておきたいの」




いくらカイが本当は優しくて、どんな理由があったと言え、私がされたことは消えないし、傷ついた心は癒えない。
だけど、カイの事を誤解したままただ憎むだけの自分ではいたくない。





「カイの事を知って、理解することはできるから」

「・・・あんたに話すよ。後で、あいつらに話す前にあんたに聞いてほしい」



カイが、意を決したようにそう言うと私に向き直った。
私も、小さく深呼吸をしてカイを見つめる。




「・・・俺に、話を持ちかけてきたのは・・・、王の側近とかいう男だった。話を聞いて、渋ってると、城に呼ばれ王直々に頼まれた」

「やっぱり、王さまが・・・」




レオの考えはあたってた。
そこまでして、レオを陥れたいの?




「王には、あんたを殺すことになっても構わないと言われた。任務を失敗させたいのだと。もし、あんたを人質にとって、戻らなかったとしても死んだとなればさすがに取りやめるだろうと」

「ひどい・・・」





唇を噛みしめる。