「ネックレスが・・・同じだったから、追いかけて・・・声をかけた。そしたら転んで足挫いて・・・。その手当を、彼がしてくれたの」

「追いかけただと・・・?自分をこんな目に遭わせた奴かもしれないのにか!?なんでそんなことをした!」

「ごめんっ!私だってすぐ怖くなった・・・。でも、身体が勝手に動いてた・・・。それに、あの男は捕まってるもんだって思ってた・・・。だからすぐに、人違いかもって・・・」





感情的に怒っていたレオが、私の言葉でハッとしたように落ち着いた。





「・・・すまない。逃がしたと聞けば、お前が怯えると思って」

「わかってる。・・・レオ、聞いてほしいの。昨日の夜、彼がここに来たのは、とどめを刺そうとしたからじゃないよ。自ら捕まりに来たの」

「・・・そんなこと、信じられると思うか。あいつがそう言えと言ったのか?」

「そんな事言われてない!お願い、ちゃんと話をして!」

「あいつと話すことなんてない。あるのは、聞くことだけだ」




レオは頑なにそう言って顔をそむける。
私の言葉、聞いてくれない・・・。




「どうしてわかってくれないの?カイは・・・・」

「あいつの事を名前なんかで呼ぶな」

「・・・っ」




怒鳴られ、肩を震わせる。
レオが、怒ってる。