「ユキは、もともと騎士とは無縁の生活をしていたらしいから、一からいろいろと教えてあげること」

「オッケー。まかしとけ」

「ユキ、安心しろよ!グレンと違って僕たちは優しいからね!」




心強い二人の言葉に、ジィンと胸が熱くなる。
嬉しいよ。
意地悪なグレンから離れられるんだから!



「では、なにかあったら、このベルでお知らせください。2が、私と通じておりますので」

「ベル・・・?」




グレンに差し出された小さな指輪。
2とかなんとか言ってるけど、数字なんて何も書いていない。




「お前、通信機も知らねぇのか?」

「通信機?電話のこと?」

「電話?なに言ってんだ?」





ノアが怪訝そうに眉を顰める。
やっぱりここは、私の知らない世界なのだと思い知らされる。



でも、通信ってことは電話と似たようなものってことよね?