条件は、フランを一緒に連れて行くこと。




その条件で、私はフランと共に城下に来ていた。
街娘に見えるワンピースを着て、フランの腕を掴み歩く。


こうして見ていると、穏やかに生活しているように見える。





「はぁ、いつになったら不安のない日々が来るんだろうね」

「散々期待させておいて酷い話さ」




でも、時折聞こえてくる心無い言葉に、胸を痛める。
めげたりしない。
それを知るために来たんだ。




「仕方ないよ。それ程の事があったんじゃないの?」

「それ程って、どれ程のもんだよ。魔物の討伐以上に大切なものってなんだって言うのさ」

「それは知らないけどさ」




こうして聞いていると、全員が不平不満を言っているわけじゃなくて、レオの肩を持ってくれようとしている人もいる。
それでも、やっぱり理由が明白じゃないからはっきりと言い切れないんだ。


やっぱり、解決しなくちゃいけない。
私も、あの事から逃げずに、立ち向かわなくちゃ。