「フラン、私城下に行きたい」



数日後、私は部屋に来てくれていたフランにそう告げていた。





「え?城下って・・・。まだちゃんと歩けないのに危険だよ」

「大丈夫。無理はしないから」




この目で街の様子を見たい。
皆が、なにを想い、なにを考えて暮らしているのか。
それを知ることができるのは街しかない。

そしてそれができるのは、顔を知られていない私しかいない。

レオの任務について行った時の私を知られていたとしても男装姿だ。
女の格好をすれば誰にもわからない。




「知りたいの。この目で。確かめたいの」





少しでも、レオの力になりたい。





「わかった」




フランが真剣な表情でうなずいた。