少し古びた小さな塔。
そこが、王子の専属騎士である護衛隊の武術場兼待機場らしい。

あまり、武道場らしくもいい設備が整っていそうにも傍からは見えない。
このあたりも、王のあてつけが入っているんだろうか。




古びた扉をグレンがゆっくりと開く。
ノックもなしだ。





「フラン、ノア、いますか?」




声をかけながら入ったその中は、1階部分が武道場になっているらしく、壁にはいろいろな武器が並べられ、広いフロアが広がっていた。





その隅で、準備体操でもしていたのか体を伸ばしている二人の男性。
身動きのとりやすそうな格好で、この世界における胴着のようなものだろうか。





「ん、グレン。どうした―?」

「え、なになにその金髪美少年!」




二人は、グレンを見た後私を見ると好奇の目で立ち上がった。