「ユキ?」
「もう・・・じぶん・・・せめないで・・・レオ・・・わたし・・・がんばる・・・から」
レオが今忙しくしているのを知っている。
自分のせいでと自分を責めて苦しい思いをしているのも知ってる。
討伐の任も、私の事も全部自分の責任だって背負い込んで。
王子としての仕事もたくさんあるのに、私の事も気にして。
レオが倒れちゃう。
「レオ・・・無理しない・・・で・・・わたしだい・・・じょ・ぶ・・・だから」
つたない言葉で伝える。
私の言葉を最後まで聞き遂げると、レオはフッと笑って私に顔を近づける。
そして、そのまま唇を重ねた。
(え――――――?)
ちゅと小さく音を立て離れた唇。
レオはまっすぐな瞳で私を見る。
「あの時に、消毒したつもりだったけど。やっぱり悔しいから、もう一度消毒しておく」
「え・・・・・?」
「まんまとあの男に唇を奪われおって」
ふて腐れたような顔でレオが言った。


