「この場所は、俺の一番好きな場所なんだ」
レオが、話しはじめる。
レオを見上げるとまっすぐ花時計を見つめる横顔。
「母上とよくここに来て遊んでいた。遊ぶと言っても、ただ話をしたり、蝶を追いかけたりとそんな他愛のないことだったけどな」
レオがそんな風に自分から話をしてくれるなんて。
前は私があの部屋を見てしまったから仕方なくだったのに。
それがすごく嬉しい。
「花が好きな人だった・・・」
レオのお母さん。
会ってみたかった。
レオの事を愛してくれたお母さん。
きっと素敵な人。
「あまり外にいて体に障ったらいけない。そろそろ戻ろう」
レオがそう言って立ち上がろうとする。
それを私は腕を引っ張って止めた。


