「でも、グレンは王子さま付きなんでしょう?」



グレンは、口は悪いけど仕事はできそう。




「私は・・・。自ら懇願してレオさま付きにしていただいたのです。ですから、王さまは私の事もよく思ってはいませんよ」

「へえ・・・」

「無駄話はここまでです。もうすぐ着きますよ」

「はぁい」





色々と複雑そう。
グレンは、そこまでしてレオさまに付きたかったんだ。




冷たくて、刺すような瞳の王子さま。
心に何か闇を抱えているような・・・。





「この先の塔です」

「塔・・・?」





城を出たすぐに、その塔は見えた。