「・・・これ・・・で?」
何とか出るようになってきた声でそう聞くと、レオは大きく頷いた。
う、嘘。
こんなの、恥ずかしすぎる!!!
「はず・・・かし・・」
「大丈夫。庭に行くだけだよ」
庭・・・。
綺麗な花が咲く庭。
・・・行きたい。
私はギュッとレオに顔をうずめた。
「しっかりつかまっていろ」
そう言われ、私がレオに抱きつく腕に力を込めるとレオは歩き出した。
恥ずかしくて顔があげられず、じっとしがみついたまま。
しばらくしてレオが立ち止まるとふわっとそこに下ろされた。
「ついたぞ」
そう言われ目をあけるとそこはもう庭だった。
私はベンチに座らされ、隣にレオも座ると私を支えるように腰に手を回した。
そのしぐさが自然で胸がドキドキする。
相変わらず綺麗な花々がこの場所を囲うように咲き誇る。
真ん中にある、花時計がちくたくと時を刻んでいる。


