「なんだ、ないのか?父を侮辱するのも大概にしろ。お前が実の息子でなければ牢にぶち込むところだ」

「・・・っ」

「それでも、まだ言いたいのであれば、証拠をそろえてくるのだな」




王にそう言い捨てられ、レオは悔しさに唇を噛みしめた。






「・・・失礼します」





掴みかかりたい気持ちを押さえようようそう頭を下げるとレオとグレンは王の部屋を後にした。
グレンの澄ました顔にも怒りはヒシヒシと感じられた。





「くそ。やはり言い逃れられるか」

「仕方ありません。簡単に認めはしないでしょう。やはり、あの男を見つけるしか・・・」





唯一姿を見たあの男。
フードに隠れ顔は見えなかったが。


どこの人間か。
調べる必要があった。