「今回、我々の任を邪魔した男・・・。かなりの手練れだと見受けられました。このようなことを、たった一人で計画し実行するにはかなり無理があります」

「・・・ふむ」

「少なくとも、手紙をあのふもとの村の子どもに手渡した者。我々が目にした男の二人以上と考えます」



レオは淡々と自分の考えを述べていく。




「そして、奴らを手引きした者が必ずおります」

「ほお。手引きをした者がいるという根拠は」

「今回の毒を使った手口では、最後までそこにいなければ成し得ることはできません。そんなリスクを負えるのは強力な後ろ盾があるか、なりふり構わぬ大ばか者かです」




王の表情は変わらないが、瞳の色が鋭くなったことをレオもグレンも見逃さなかった。




「かなりの手練れで、逃げられましたが、最悪捕まったとしてもその後の事が保障されていた・・・とか」

「なにが、言いたい」

「我々の任をやめさせたいのであれば、直接我々を襲えばいい話です。それなのに、こんな回りくどいやり方で陥れようとした」





レオは目をそらさず、一瞬の表情の変化も見逃さないようまっすぐに王を見つめた。