「なるべく、そのストレスを緩和させてあげてください。ユキさんにそう告げなかったのは、心因性と聞いて自分のせいだと責めないためです。毒のせいだと思っていられれば、心は多少は軽くなるでしょう」

「ありがとうございます」

「いえ。一番大変なのはユキさんですが、彼女を支える方々も大変だと思います。共倒れにならないよう、無理なく支えていってください」





イルム医師はそう言うとレオに一礼し部屋に戻った。
レオはフラフラと塔を出て、閉めた扉にもたれかかると固く閉じた拳をその扉に叩きつけた。



歯を噛みしめ、拳をギリギリと震わせる。
どうしようもなく苦しかった。

傷つき、苦しんでいるユキを見ると悔しくて苦しくてどうにかなりそうになる。
すぐにでも変わってやりたいと。




俺のせいだ――――




レオは自分を責める。
ユキを傷付けたくなくて、突き放すようにして置いていった。
その方が安全だと・・・。


そんなわけはなかった。
考えればわかったことだったかもしれない。




「俺は、大馬鹿野郎だ!」