「先生、ユキは声が出ないと言っているんですが・・・。それも毒のせいでしょうか?」

「声が・・・?ユキさん、声出せませんか?」




レオの声に先生は布団をかけ直してくれながら私を見た。
私は口を開け、声を出そうと試みるけどやっぱり駄目だった。
小さな唸り声程度にしか出ない。



「そうですね・・・。おそらく、次第に出るようにはなるでしょう。心配いりませんよ」





イルム先生はそう言って笑った。
私はホッとして息を吐く。


声、出るようになるんだ。
よかった。




「ユキ、しばらく眠っていろ。俺は先生をお送りしてくるから」





レオに言われ頷くと瞼を閉じた。
するとすぐに眠りの中へ落ちていった・・・。