「どうしますか。お選びください」

「・・・っ、わかったわよ!」




それでも、私はまんまとその企みに乗せられる。
悔しいけど。
こんなところで訳も分からず殺されるのなんて嫌だ。




こっちを選んだところで、死は待っているのかもしれないけど。






「では、行きましょう」

「え?行くって?」

「あなたと同じ、王子付きの騎士、“護衛隊”のもとにですよ」

「護衛隊・・・?」




王子を守る部隊の名称は、“護衛隊”というのか。
というか、私以外にもいるんだ。
だったら尚更、別に私がいてもいなくてもいいんじゃないの?




「護衛隊といっても、いるのは二人です」

「二人?二人で王子さまを守ってるの?騎士ってそんなに少ないの?」

「少なくはありません。使える者が少ないということです」

「使える者・・・」

「王子を守るという重要任務を任せられる騎士がまだ育っていないのです」