「ですから、ユキのところにはノアに行ってもらいます。すぐにここを発ちユキを救い出してください」
「わかった」
「一人で行かせるのは申し訳ないですが、こちらもあまり手は割けません。レオさまと我々は予定通り明日山に行きましょう」
グレンがテキパキと指示を出していく。
ノアが瓶を握りしめ荷物を取りに駆け出そうとした瞬間、その瓶をレオが奪い駆け出した。
「レオさま!」
「・・・俺が行く」
「いけません!あなたには重大な任務が!」
レオを引き止め説得をするグレンに、レオは苛立ちを隠せずドアを殴りつけた。
「こんな時に、任務などできるか!」
「そうすれば相手の思うつぼです!ここで取りやめてしまえば、国民の信用を失うことに!」
「そんなもの、好きに言わせておけばいい!」
レオはそう言い捨てると部屋を飛び出していった。