「レオさま、新人が失礼いたしました。よく言って聞かせますので。今日のところはこれにて失礼します」
「ちょ・・・」
「では、失礼いたします」
有無を言わさずグレンに引き連れられ部屋を後にする。
レオさまは、その時にはもうこっちなんて向いていなかった。
本当に、無関心なんだ。
王子さまって、もっと爽やかな笑顔を振りまいているものだとばかり思ってた。
おとぎ話の見すぎかな?
「ハラハラさせないでいただきたい」
「え、ハラハラ?」
「レオさまの気分を害されれば、あなたの命だって危うかったのですよ」
「い、命って、なにそれ。オーバーね」
グレンの視線が突き刺さる。
まるで、嘘なんか言っていないとでも言いたげに。
「レオさまは、お気に召さない家来を切り捨てることなど雑作ないのです」
「ちょっと待ってよ。そんなひどい王子様なの?」
聞いてないわよ!


