レオは無事、国民の前での決意表明を終えた。
国民は歓声を上げ、レオの覚悟を喜んでいた。
魔物に怯えることのない世界が来るかもしれないんだから、当然だろう。


さすがに、王としてあからさまに反対はできないのか王さまは一見笑顔でその様子を見ていた。
でも、その瞳が全く笑っていないことは近くで見ていた私たちにはよくわかった。




大きな妨害もなく、無事出発の時を迎えた一行はそのために作られた正装に身を包み門の前に並んでいた。





「・・・では、行ってくる」




出発を見送るのは私だけ。
ここに来て、王さまは最後の抵抗を見せた。




「頑張ってね」

「ああ」




私は、レオの気持ちを汲みここに残る。
本当は今からでもついて行くと言い出したい気持ちでいっぱいだ。
それでも。
レオを信じると決めた。




信じて、待ってる。
それも、レオの騎士としての仕事だと思って。