ギロリと、グレンににらまれハッとした。
男のふりを忘れてた!
そのことにも怒ったんだ。
「すみません。王子さまの瞳の色がきれいだなって思ったんでつい」
「綺麗か・・・。そう思うか?」
「はい。お、俺は好きですよ。その色」
初めてそんな色の瞳の人を見るけれど、本当にきれいだと思う。
でも、レオさまはあまりそうは思ってないみたい。
私の言葉にも、一つも表情を変えないの。
何かがおかしい、そう思ってた。
それは、レオさまに表情がないからだ。
無なんだ。
感情がないみたい。
とても整った綺麗な顔をしている。
それが余計に無を際立たせているような気がした。


