「・・・別に、守ってもらわずともよいのだ」
「え?」
「俺は、この命がどうなろうと構わん」
「レオさま!そのようなことを!」
レオさまは、吐き捨てるようにそう言う。
なんて冷たい言葉。
何かを、諦めてしまっているかのような・・・。
あ・・・。
真っ直ぐとこっちを見た瞳は、真っ赤だった。
赤い瞳。
吸い込まれるような赤だ。
綺麗・・・。
素直にそう思った。
「綺麗・・・」
そして、思わず口からもこぼれた。
レオさまは、怪訝そうに私を見た。
「あなたの瞳って、とても綺麗な色をしてるのね」
「ユキ!口を慎みなさい。あなたが軽々しく話せる相手ではないのですよ」
私が言い放った言葉を、遮るようにグレンが静かに怒鳴る。
いちいち厳しいんだから、この人は。


