「怖かったんだ・・・」



本当は、誰かに聞いてほしいと。
この冷え切った心を。




「俺の存在は、誰かを傷付けることしかできないのではないかと」




抱きしめてほしいと――――――。





「うん」





ユキが、両手いっぱい広げ、俺の身体を包み込む。
温かい。

人は、こんなにも暖かいのだな・・・。




「大事なものを持つと・・・それを失うかもしれないと・・・母上のように・・・」

「うん・・・」

「もう、失いたくない。目の前で・・・自分のせいで誰かが死ぬのはもう嫌だ」





失うのが怖ければ、最初から持たなければいい。
大切なものも、愛しき者も。
なにも。




「レオ、・・・私は死なないよ。ずっと、レオの側にいるから」




ああ、温かい。
俺は、誰かにそう言ってほしかった・・・・・・・。