「お母さんの事・・・話してくれてありがとう」

「は?」




ありがとう・・・?
なぜ、ありがとうなんだ。

訳が分からずユキを見る。
ユキは、穏やかに微笑んでいた。




「隠してたってことは、話したくなかったんだよね?それなのに、私に話してくれてありがとう」

「見られたのだから、隠していてもいけないだろう」

「うん・・・。ごめんね。私、レオとの約束破っちゃったんだよね・・・」



自分を責めるように声が落ちていく。
違う、責めたいわけではないのに。
本当は、心の奥ではわかっていた。




「でも、私少しでもレオの事が知りたくて・・・。レオが苦しんでる理由を知りたくて」

「知って、どうする・・・」

「もっと、レオと近づきたい!」




ユキが、俺を責めることはしないと。
共に考え、求めてくれる人だと。


本当は、わかっていた。