「・・・すまなかった」




こちらを見ようともせず、レオが口にしたのは謝罪の言葉だった。
私はレオの少し後ろで立ち止まった。




「女に手を上げるなんて・・・どうかしていた」

「そんな、私が悪かったから・・・」




手を上げるなんて。
そんな風に思ってない。

初めて、レオの瞳が私を捉えた。
弱々しく悲しみに揺れる瞳。





「レオ・・・」

「すまない・・・」




レオの手が私の腕を掴み引っ張る。
私は前かがみになってレオの腕に抱きしめられた。

レオの頭が私の肩にあって、サラサラの黒髪が頬を霞める。


私の背中に回されたレオの手が私を強く抱きしめた。