「魔物は今までレオさまを襲ってきました。ですからこの塔が狙われたことは今までありません」

「魔物は、ユキを狙ってた」

「そうだ。ユキを見つけて、あいつだ、あいつを狙えって。一斉に襲い掛かられて僕たち護りきれなくて・・・」



ノアに続けて話し出したフランが悔しそうに眉を顰めた。
拳を固く握る。




「フラン、自分を責めないで。このケガは本当に仕方なかったんだよ」

「・・・でも、ユキ」

「大丈夫だから、ね?」




あの状況だもん。
仕方ない。
フランが責任を感じる必要なんてないよ。



「ですが、それは本当ですか?ユキを狙っていたなんて・・・」

「ああ。一度ユキを見つけてからはユキだけを狙っていた」



そうだ。
私の事を狙っていた。





「王の差し金か」

「え、王さまの?」




レオの呟きに驚いて声を上げる。