「ユキ!!」



突然開いた部屋の扉に驚いて顔をあげた。
そこには、青ざめた顔のレオ。




「あ、レオ。どうしたの?」

「どうしたじゃない。お前、魔物に襲われたって」

「あ、ああ・・・。うん」



グレンにでも聞いたんだろうか。
私はちょうどノアの治癒能力で傷を塞いでもらってフランに包帯を巻いてもらったところだった。




「でも、大丈夫。生きてるし、前みたいに何日も寝込むことないから」

「そういうことを言ってるわけではない!」



レオの怒鳴り声が響いた。
なんで怒ってるのよ。
仕方ないじゃん。
あんなに大勢の魔物が一斉に襲ってきたら対処できないよ。




「・・・いや、悪い。なんでも、ない」




レオはそう言って口ごもると居心地が悪そうに眉を顰めた。



「ユキ、レオさまはユキの事を心配できてくれたんだよ」

「え?私を・・・?」



フランに言われて顔を向けると、レオはばつが悪そうに顔をそらした。
怒ってたわけじゃなくて、心配してくれてた?