ノアが、右手の手袋についた石を左手で包み込みグッと力を込めた。
そして重いものを押し返すように拳を突きだすと、ノアの右手から青白い光が飛び出した。


その光は魔物たちを切り裂き全滅させていく。




「うあああああああ」




断末魔をあげ消し去っていく魔物。
初めて、ノアが石の力を使うのを見た。

凄い・・・。
あんなすごい力なんだ、気功って。




「はぁ・・・」



ふら付いたノアをフランが片手で支えた。




「わり」



ノアが疲れ切った声でそう言う。
私は、ホッとして持っていた剣を落とした。



「ユキ!」



慌ててフランが私を支えてくれる。