「レオさま、本当にありがとうございました」




そう言ってレオに頭を下げたのはグレンだ。
私のために、頭を下げてくれるなんて。




「ただの、気まぐれだ」




レオはぶっきらぼうにそう答える。
本当は優しいくせに、不器用なんだから。




「レオ、本当にありがとう」




私が改めてお礼を言うとレオは一瞬目を見開きバッと顔をそらした。
なに、そのあからさまな態度。





「ユキって、そういうかっこうするとやっぱり女の子なんだね」

「え?」




フランに言われて気づいた。
そうだ、私ドレスのままだった。
乱れたドレスは整えたけど、すっかり忘れてた。