紛れもなくレオの声だ。
久しぶりに聞くレオの声に、鼻の奥がツンと痛くなった。
「レオ・・・?」
―・・・そうだが
「ごめんね。あの、怪我したって聞いて・・・」
―大したことはない
「そう・・・。よかった」
ぎこちない会話に、二人の距離を感じる。
そうだよね。
女だってわかったうえに、私は王のもとに行くって自分で言いだしてきたんだ。
余計に裏切られたと思うよね。
「あの、皆は?」
―心配はいらん
「・・・・うん。ごめんね」
はっきりと拒絶されると心が痛む。
なんでレオに連絡しちゃったんだろう。
なにを期待してたんだろう。
「レオ・・・。ごめんね。私、頑張るから・・・」
―なに?
「ごめんね・・・」
そう言って通信を切った。
これじゃあだめだ。


