そんなことは、耐えられない。




「私、もう・・・そこには戻らない」

―え?ユキ?どういうこと?

「レオには嫌われたし。そこにいる意味ないから・・・」




思ってもいないことが口をついて出てくる。
嫌われてもいい。
私の事なんて、嫌ってくれていいから。



―ユキ?じゃあ、どこに・・・

「王さまが、私を側に置いてくれると言ってくれてるの。王さまのそばの方が私は安全だし。だから、もう連絡もしてこないで」

―王さまのところに!?どうして!ユキ!ねえ!

「じゃあ、切るから」




声が震えだす前に。
捲し立てるように話して通信を切った。
これでいい、これでいいんだ。





「これでいいんでしょう?これで、レオが魔物に襲われることはなくなるのよね?」

「わしが、知らせることはなくなるだろうな」

「なら、いい・・・」




せっかく、生きる意志が持てるようになったんだ。
レオには生きてほしい。