「誰が、バカだってぇ!?」

「うわ、聞こえてた!」




ギロリとノアの視線がこちらに向く。
慌ててフランが飛びのいた。




皆に余裕がある。
それはきっと。





「自分の身くらい、自分で守る」





剣を抜き構えながらレオが叫ぶ。
そんなレオを見て、私はにっこりとほほ笑んだ。



こうしてレオが自分の身を守ろうとしているから。
守ってもいいと思えれば、今まで以上に頑張れるものだ。






「レオ、無茶するなよ!」





魔物をなぎ倒しながらレオに叫ぶ。
レオは今までちゃんとした戦い方なんて習ってないんだ。
王子として一通りの武術は習っているみたいだけど、本気でやってなかったに決まってる。