身体の傷も癒え、任務に戻れたのは1週間後の事だった。
それでも、ノアの治癒能力により早くなっての期間だった。
私の身体には、傷跡ももう残ってはいない。

皆そのことを気にしてくれていたからそれを告げるととてもホッとした表情をしていた。




私は雑務をこなすためノアと城内を歩いていた。
大きな荷物をレオの部屋まで運ぶ仕事だ。




「大丈夫か?」

「うん。平気だよ」




時折気にかけてくれるノアに笑って答える。
これくらい平気。




「でも、ほんと元気になってよかったよ」

「ありがとう。心配かけてごめんね」

「いや、いいんだ。名誉の負傷だな」

「うん。俺、レオの事守れたんだよね」




そして、レオが少し心を開いてくれたんだ。
それだけで痛い思いした甲斐あったってもんだ。




「あ、ユキ。頭下げて」

「え?」

「頭」