「グレン」 「はっ」 レオが、名を呼んでいく。 「ノア」 「はっ」 「フラン」 「はい」 呼ばれた瞬間、ビシッと背筋が伸びていく。 心なしか、顔は綻んでいた。 「ユキ」 「はい」 初めて。 初めて、レオに名前を呼ばれた。 「これからも、よろしく頼む」 レオが、私たちに頭を下げる。 王子が騎士に頭を下げるなんて。 レオの心境の変化。 きっと、皆嬉しいに決まってる。 だって、ほら。 みんな笑顔だ。