「待ってろ!俺の力で!」
ノアが、私の傷口に手を押し付ける。
痛みに顔を歪ませる。
その掌から、次第に伝わってくる熱。
「あ・・・たかい・・・」
「俺の石は治癒能力が使えるんだ・・・。傷を塞ぐことしかできねぇけど・・・。絶対しなせねぇ!」
「ありがと・・・」
グ、と込められた掌の力にノアの思いが伝わってくる。
痛みが少しずつ和らいでくる。
細く息をしながら、私はゆっくり瞬きをして皆の顔を見た。
心配そうに私を見る顔。
少し離れた場所で、座り込んだままの姿のレオは戸惑いをその顔に滲ませていた。
視界が、ぼやけていく。
ごめんね・・・。
レオ。
そんな顔させて。
私は、ゆっくり意識を手放した。