突然腕を引かれ、レオが私と魔物の間に入り込む。
レオは腰に護身用に剣を下げてはいるけど抜いてはいない。

今から抜いて魔物を倒すことなんて無理だ。



レオは、自分がどうなってもいいと思ってる。
そうやって私を守ろうとしているんだ。




そんな事、させない!



私はドン!と強くレオの身体を押しのける。
振り上げられた手は、その瞬間につき出され私の身体を鋭い爪が貫いた。




「お、お前・・・!」





地面に座り込み目を見開くレオ。
その姿を確認し、護れたことにホッとする。



爪が抜かれた瞬間に身体に走る激痛。
ドクドクと血が噴き出してくるのを感じる。




「ユキ!!!」





次の一撃を仕掛けようとしていた魔物を後ろから斬りつけ駆けつけたのはグレン。
地面に膝をつき倒れようとする私の身体をグレンが受け止めた。